市川市俳句協会
俳句のまち市川
市川は古くから多くの俳人が訪れたまちです。江戸時代には松尾芭蕉や、小林一茶が市川を訪れたことがいろいろな書物に記録として残っています。
近年になっては、正岡子規や高浜虚子も訪れています。
水原秋櫻子は大正から昭和にかけてこの地を何度も訪れ、数多くの市川の風景を俳句に詠んでいます。
秋櫻子の第一句集が「葛飾」であったことや、最初の句碑が真間山弘法寺に建立されたことなどから、この地をこよなく愛していたことがわかります。
また同じ弘法寺の境内には、やはり日本を代表する富安風生の句碑が建立されています。
同じ境内に小林一茶の句碑、近くの手児奈霊堂境内には吉田冬葉の句碑も建立されています。
こうした市川の俳句の歴史を背景として、市川市市内に在住する俳人の数ならびにその活動状況は全国屈指といわれています。
全国レベルの俳句結社や俳句会が、市川から全国に発信しております。
市川市の第一回文化祭は、昭和23年に「市民俳句大会」として開催されました。市川市文化祭の歴史は俳句大会から始まったともいえます。
さらに昭和31年には「市川市俳句協会」が組織され現在に至っています。
市川市俳句協会は市川市に在住、在勤または市内の俳句会に席を有し、俳句を志す方によって構成し、俳句の研鑽、研究、普及および相互懇親のための活動を通じて、市川の俳句文芸の水準を高めるとともに、俳句を通じて文化都市市川の街づくりに寄与することを目的とします。会員は、毎年11月23日に行われる「市民俳句大会」への応募者、ならびに維持会員を以て会員と称しています。
市川市市民俳句大会は、第1回から現在まで絶えることなく継続されており、コロナ禍の令和2年度は紙上大会となりましたが、伝統の灯は消えることはありませんでした。
令和4年度には、第74回を迎えます。
市民俳句大会の募集要項は毎年8月初めに作成され、市内の公民館などに置かれますので、要項にしたがって応募してください。
詳しくは、事務局(下記)までお問合せください。
過去の記録から
昭和53年 合同句集「市民俳句の30年」の出版
昭和60年 能村登四郎句碑「枯野の沖」建立(じゅんさい池池畔)
平成 7年 林 翔句碑「唐辛子」建立(北方町妙正寺境内)
平成10年 能村登四郎句碑「春ひとり」建立(国府台陸上競技場)
平成10年 文化祭参加50回記念大会 (市川グランドホテル)
平成11年 手児奈俳句大会(朝日新聞、真間史蹟保存会と共催)
「てこな俳句ポスト」の設置
平成25年 市川の俳人展(市民会館)
平成26年 能村研三展(市民会館の建替えに伴う閉鎖。その掉尾を飾り)
平成29年 登四郎・研三の世界展(全日警ホール竣工記念展示)
平成30年 第70回記念市民俳句大会
令和 元年 第71回市民俳句大会(令和になって初の大会)
令和 2年 第72回市民俳句大会(初めての紙上大会)
令和 3年 第73回市民俳句大会
令和 4年 市川の俳人展
主たる活動
「市川手児奈文学賞」(平成12年~)文学ミュージアムに協力。
俳句大会(令和2年) 紙上による第72回市民俳句大会
俳句出前教室 市内の小学校の要請により講師を派遣
新春展 市民俳句大会の上位入選作品を展示(短歌、川柳と共催)
市川市芸術文化団体協議会の「文化集会」、「天空の文化祭」に参加
令和四年度 市川市芸術祭・文化祭
第74回市川市市民俳句大会市長賞 連山の骨格しかと冬に入る 伊藤 文
市議会議長賞 半分こ出来る相手のゐる良夜 木村 美翆
教育長賞(二重投句が判明したため大会終了後、入選取り消し)
特別選者特選句
(講師)井越芳子選
特選 落蝉の眼に青空のあふれをり 菊地 光子
(会長)能村研三選
特選 少年の声なら届く秋の空 中村 世都
半分こ出来る相手のゐる良夜 木村 美翆
すさびても濡れても秋の蜘蛛不動 加藤 峰子
ちちの来る月の籬をははの来る 執行 香
何もかもなくして自由破蓮 飛田小馬々
(顧問)増成栗人選
特選 濡れてゐる駱駝の睫毛夜の秋 平松うさぎ
どう束ねても白萩の揺れやすき 中村 世都
落蝉の眼に青空のあふれをり 菊地 光子
連山の骨格しかと冬に入る 伊藤 文
フェルメールの少女の瞳冬銀河 竹原新一郎
(副会長)加藤峰子選
特選 線香花火ポツンと魂の弾けをり 藤代 康明
雁帰る水脈の続きを空に曳く 奥井 あき
案山子かと見し農の手の振られけり 大沢美智子
日の射して語らふやうな落葉かな 三浦せい子
風どつと草の穂絮を連れてゆく 幡 柏
(副会長)谷口摩耶選
特選 雲の峰宣誓の子の腕太し 猪瀬 達朗
万葉の風匂ひ立つ実むらさき 板橋 昭子
くちばしを胸に埋めて冬の鳥 中里由美子
真間川に詩歌の余韻流れ秋 頓所 友枝
さんま焼く先のことより今のこと 竹原新一郎
(副会長)栗原公子選
特選 担任の背丈超える子柿若葉 高木 春夫
夜光虫掬へどこぼる過ぎし日々 和気みゆき
秋嶺の容に闇の鎮まれり 道端 齊
年取るに上手下手あり蕎麦の花 古澤 春美
鉄塔は空の灯台鳥渡る 平城 静代
当日句の部 (投句 74句)
講師 井越芳子先生選
特選 憂きことを放つ枯野の風の中 町山 公孝
入選 一輪の冬薔薇おく白卓布 佐々木よし子
もう山の影がとどいて水仙花 栗坪 和子
寒林を胸に線描して帰る 大沢美智子
山彦の残響あけびひとつ割れ 奥井 あき
冬の雨上総下総包みをり 木村 美翆
寒き夜や我を燃やせる一行詩 中山ねぐみ
車追ふさまに落葉の舞ひ上がる 葛西 茂美
花開くごとく白鳥着水す 内山 照久
ゴンドラに斜面を貸して山眠る 塩野谷慎吾
そぞろ寒追炊きの湯のやはらかき 佐藤こずえ
会長 能村研三先生選
特選 寒林を胸に線描して帰る 大沢美智子
入選 もう山の影がとどいて水仙花 栗坪 和子
境内をよぎる近道神の留守 塙 誠一郎
しぐるるや人待ち顔のあぎと美し 平松うさぎ
百僧の読経哮けくる今朝の冬 宮下 桂子
木の実降る降る万有引力の音 岩佐 梢
茶の花も日のぬくもりを抱きにけり 小坂 尚子
防人と曽良の眠りし壱岐の秋 御馬舎義道
霧の花水の地球の息吹かな 菅野 裕夫
薄れゆく指紋勤労感謝の日 菊地 光子
筑波嶺の居住まひあらむ大枯野 荒井ひろみ
顧問 増成栗人先生選
特選 そぞろ寒追炊きの湯のやはらかき 佐藤こずえ
入選 憂きことを放つ枯野の風の中 町山 公孝
一輪の冬薔薇おく白卓布 佐々木よし子
秋澄むや白檀の香に母をふと 鈴木 豊子
揺り椅子を揺らしひとりの星月夜 森近 光子
日没にまだ間のありて冬紅葉 礒貝 尚孝
花開くごとく白鳥着水す 内山 照久
茶の花も日のぬくもりを抱きにけり 小坂 尚子
長生きもほどほどがよし木の実降る 楠原 幹子
冬の雨少し濃い目の紅をさし 前畑 桂子
かく燃えて女人高野の紅葉かな 山岸 明子
副会長 加藤峰子先生選
特選 トランプの女王失せし神の留守 関 妙子
この年も銀杏散る頃句に集ふ 七田 文子
一輪の冬薔薇おく白卓布 佐々木よし子
人生は一木のごと帰り花 本池美佐子
寒き夜や我を燃やせる一行詩 中山ねぐみ
幾度でも恋は初恋毛糸編む 吉田 良江
余生なほ吾にも勤労感謝の日 須山 登
花開くごとく白鳥着水す 内山 照久
そぞろ寒追炊きの湯のやはらかき 佐藤こずえ
子育ての楽しきころの七五三 竹内 空夫
霧の花水の地球の息吹かな 菅野 裕夫
副会長 谷口摩耶先生選
特選 この年を銀杏散る頃句に集ふ 七田 文子
もう山の影がとどいて水仙花 栗坪 和子
父と子の眉毛そつくり七五三 宮川 智子
大津絵の鬼を泣かせて冬夕焼 和気みゆき
秋澄むや白檀の香に母をふと 鈴木 豊子
花開くごとく白鳥着水す 内山 照久
ゴンドラに斜面を貸して山眠る 塩野谷慎吾
ウクライナ思へば遠し聖樹の灯 久礼 隆志
子育ての楽しきころの七五三 竹内 空夫
ショベルカー土噛むままに冬に入る 相場恵理子
父祖の地の山みな丸き小六月 佐藤 克江
副会長 栗原公子先生選
特選 寒き夜や我を燃やせる一行詩 中山ねぐみ
入選 この年も銀杏散る頃句に集ふ 七田 文子
もう山の影がとどいて水仙花 栗坪 和子
タンゴ聴くポインセチアの似合ふ夜 杉原かほる
百僧の読経哮けくる今朝の冬 宮下 桂子
人生は一木のごと帰り花 本池美佐子
父と子の眉毛そつくり七五三 宮川 智子
冬の雨上総下総包みをり 木村 美翆
幾度でも恋は初恋毛糸編む 吉田 良江
着ぶくれて重さを肩に持ち歩く 山内 洋光
ゴンドラに斜面を貸して山眠る 塩野谷慎吾
令和3年度 市川市芸術祭
第73回市川市市民俳句大会の記録 令和3年11月23日市長賞 新藁の香りに納屋の膨らめり 諸岡 和子
議長賞 迎火のひとつは胸の奥に焚く 良知 悦郎
教育長賞 もう一度春満月を見てねむる 古澤 春美
特別選者特選句
講師 菊田一平選
特選 再就職決まり勤労感謝の日 堀江 美枝
会長 能村研三選 選
特選 火口湖は神の手鏡鷹渡る 石崎 和夫
台風は急直角に打つて出る 加藤 峰子
百日紅散り百日の地の湿り 中村 世都
十二月八日機内灯消し地に着きぬ 千田 百里
ふるるものなべて音生む望の夜 酒井 裕子
顧問 増成栗人選
特選 着流しの魁夷居さうな木下闇 山村 自游
ややありて草に隠るる穴惑 藤原 明美
露しとど茶掛に一期一会とは 美濃 律子
あの森のあの曼殊沙華見にゆかな 幡 柏
青空にありなしの罅鵙猛る 七田 文子
副会長 加藤峰子選
特選 雲の峰雲の峰へと歩荷かな 甕 秀麿
追憶のたびに色増すゆすらうめ 古澤 春美
長き夜の電子辞書より鳥の声 笠井 敦子
重たげな牛の長啼き豊の秋 鈴木 一広
贈らるる桃色バイク敬老日 三木 千代
副会長 千田百里選
特選 カナリヤを貰ひて帰る良夜かな 原 瞳子
秋の声蘆叢に風渡るとき 楠原 幹子
山脈はすこし屈みて秋の暮 伊藤 文
もう一度春満月を見てねむる 古澤 春美
白靴を磨く今年は逢へるかも 上田 君代
副会長 谷口摩耶選
特選 なんさいと問えば爽やか指二本 猪瀬 達朗
休暇明くぽつんと一人見慣れぬ子 道端 齊
新米の荷札に母の太き文字 柿内 清一
等距離を保ち草引く共白髪 大橋 忍
短夜やアロマオイルのひとしずく 鈴木 豊子
第73回市民俳句大会 当日句 (投句 80句)
講師 菊田一平選
特選 螺旋とは美しき曲線りんご剥く 辻前冨美枝
入選 雪のんのん集会場の結の表 奥井 あき
余生とふ自由の時間石蕗咲けり 平城 静代
ふくろふの寄る木も伐らるわが団地 數長 藤代
ツイードの手編みセーター着て銀座 小澤 冗
夕日濃し百態見せる枯はちす 石川 笙児
通学の子らの身幅に雪を掻く 塩野谷慎吾
襤褸市やシルクロードの銀細工 佐藤 詩子
若き日のネクタイ勤労感謝の日 葛西 茂美
豚汁の大鍋勤労感謝の日 諸岡 和子
ランドセル開けるや団栗出るはでるは 甕 秀麿
会長 能村研三選
特選 螺旋とは美しき曲線りんご剥く 辻前冨美枝
入選 狐火や男の業の青きもの 阿部理恵子
月仰ぎこころの翼ひろげたり 望月 晴美
み空より啓示のごとく朴落葉 執行 香
黙読の唇うごく実千両 酒井 裕子
神留守のがらがら貝を洗ふ音 岩佐 梢
モノクロに時雨れて暮るる枯はちす 須山 登
色街の灯にも慣れくる霜夜かな 長岡ルリ子
許すこと許さる余生青木の実 江波戸ねね
人が好き一人が好きの日向ぼこ 吉田 良江
霧の先また霧立てり我何処 吉田 寛子
顧問 増成栗人選
特選 寒月や人に再起といふがあり 町山 公孝
入選 菊供養師の短冊を帯の間に 三木 千代
小春日や京の土産の和らふそく 楠原 幹子
神留守のがらがら貝を洗ふ音 岩佐 梢
ツイードの手編みセーター着て銀座 小澤 冗
落葉道思案の道となりて踏む 内山 照久
許すこと許さる余生青木の実 江波戸ねね
襤褸市やシルクロードの銀細工 佐藤 詩子
人が好き一人が好きの日向ぼこ 吉田 良江
マフラーの尾は星空につながれり 佐々木よし子
豚汁の大鍋勤労感謝の日 諸岡 和子
副会長 加藤峰子選
特選 螺旋とは美しき曲線りんご剥く 辻前冨美枝
寒月や人に再起といふがあり 町山 公孝
小春日や京の土産の和らふそく 楠原 幹子
夕日濃し百態見せる枯はちす 石川 笙児
大熊手買はで加はる手締めかな 竹内 空夫
通学の子らの身幅に雪を掻く 塩野谷慎吾
銀杏散る八幡の杜へ試歩の杖 柴田 歌子
冬林檎美しき名も味はいぬ みたにきみ
冬うらら姉が弟に読む絵本 山岸 明子
若き日のネクタイ勤労感謝の日 葛西 茂美
豚汁の大鍋勤労感謝の日 諸岡 和子
副会長 千田百里選
特選 螺旋とは美しき曲線りんご剥く 辻前冨美枝
狐火や男の業の青きもの 阿部理恵子
木の葉舞ふ終をこんなに楽し気に 七田 文子
モノクロに時雨れて暮るる古書店街 須山 登
山眠る懐深く獣抱き 本池美佐子
夕日濃し百態見せる枯はちす 石川 笙児
大熊手買はで加はる手締めかな 竹内 空夫
襤褸市やシルクロードの銀細工 佐藤 詩子
冬うらら姉が弟に読む絵本 山岸 明子
豚汁の大鍋勤労感謝の日 諸岡 和子
ランドセル開けるや団栗出るはでるは 甕 秀麿
副会長 谷口摩耶選
特選 冬うらら姉が弟に読む絵本 山岸 明子
入選 寒月や人に再起といふがあり 町山 公孝
小春日や京の土産の和らふそく 楠原 幹子
ゆふぐれは足早に来て冬桜 栗坪 和子
夕日濃し百態見せる枯はちす 石川 笙児
大熊手買はで加はる手締めかな 竹内 空夫
襤褸市やシルクロードの銀細工 佐藤 詩子
献立のあれやこれやと豊の秋 山中 洋子
日短や人気のパンに長き列 関 妙子
若き日のネクタイ勤労感謝の日 葛西 茂美
ランドセル開けるや団栗出るはでるは 甕 秀麿
役員
会 長 能村研三(沖主宰、俳人協会理事長、千葉県俳句作家協会会長)
副会長 加藤峰子(鴫) 谷口摩耶(鴻) 栗原公子(沖)
顧 問 増成栗人(鴻)
幹 事
池田啓三(野火)・岩佐梢(鴻)・内山照久(沖)・奥井あき(鴫)小沢冗(鴻)・小林雷魚洞(貝)・佐々木よし子(沖)・
佐藤恵美子(諷詠会)・執行 香(月の匣)・武田伸一(海程)・中野あぐり(春燈)・中村世津(鴻)・塙誠一郎(沖)・
藤代康明(沖)・町山公孝(沖)・三木千代(鴫)・三谷紀美(鴫)・宮川智子(鴫)・望月晴美(沖)・本池美佐子(沖:会計)
若山奈路(蘭)・渡辺輝子(沖)
事務局
事務局長 町山公孝(沖)事務局次長 澤田英紀(沖)事務局:塙誠一郎(沖)・藤代康明(沖)・杉原かほる(沖)
千葉県市川市八幡3-4-1-523 町山方 市川市俳句協会事務局
FAX 047-371-1087 携帯:090-6496-2193 Email:mac-kmk@axel.ocn.ne.jp